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弥富相生山線のはなし

なぜ名古屋市はこの道路を造ろうとし ているか
名古屋市は2003年5月下旬に相生山緑地周辺の全戸に配布した「環境に配慮した道づくり施工ワーキング 参加者募集」のチラシの中でこの道路の必要性をQ&Aで以下のように説明している。
「相生山緑地 を通る道路がなぜ必要か」
 「弥富相生山線の計画は昭和32年に都市計画決定されました。都市計画とは、都市の健全な発展と秩序ある整備を図るために策定される計画のことです。都 市計画道路はネットワークを(道路網)を形成して、有機的にその機能を発揮するように計画されています。そのため、ネットワークの中に未整備区間がある と、その分の交通量が周辺に流れ、渋滞を引き起こすと考えられます。事実、相生山緑地周辺の野並交差点や島田交差点では渋滞が激しく、特に朝や夕方のラッ シュ時には、進入禁止であるにも関わらず、住宅地の中の生活道路に車が入ってきて危険です。


       と名古屋市は言うが、

45 年も前に決定された道路が今必要か
「都市計画とは、都市の健全な発 展と秩序ある整備を図るために策定される計画」とのことであるが、昭和32年に都市計画決定されたまま何も見直されないまま進められることに問題はないの か。
確かに都市計画には長期展望が必要であるが、この45年間の間に社会は目まぐるしく変わり、その当時では考えられなかった環境問題が発生し、さらに雑木林 や里山などの身近な自然に対する価値観が大きく変わっている。昭和40年、50年代なら作られていたかもしれないが、高度成長期も終わり、雑木林や里山な ど緑地の重要性が認められた今、この貴重な緑地を潰すのはやめるべき。作る前にもう一度、道路と引き替えに失うものの価値観について考えてえるべきで、 作ってからでは元に戻せない事を認識していただきたい。

本当に渋滞が緩和するか

「都市計画道路というネットワークに未整備区間があると、その分の交通量が周辺に流れ、渋滞を引き起こすと考えられます。」というが、もしそれが正しいな ら名古屋市内の都市計画道路ができれば市内では渋滞がなくなるということなり、この理論がおかしいのは明白である。
また、「野並」、「島田」交差点付近の渋滞の原因があたかもこの道路がないために渋滞するように言っているが、この交差点付近が混むのは第2環状線として 南北に通行する車も多く、また、交差点付近のバス停や天白川を渡る橋などの要因もある。
「野並」、「島田」だけ渋滞が緩和すればいいのでなく、むしろこの道路が出来ることにより「野並」を回避した車で「久方、相生」交差点が渋滞する可能性大 である。せっかく野並を迂回しても久方、相生で混めば迂回の意味がないのではないか。この地域全体の交通量は減らず、新しい道路が出来ることにより逆に増 えると考えられる。
「野並」、「島田」を含む第2環状線の交通量は国道302号の開通(天白・平針〜国道23号まで)により変化するものと思われる。「野並」、「島田」だけ の問題とせず、もう少し大きな地域で考えるべきである
  久方、相生付近は住宅が多く、付 近には二つの団地(一つ山、相生団地)と二つの小学校(相生小、山根小)があり、渋滞、騒音による生活環境の悪化はより深刻な問題となるのではないか。

まやかしの専門会
 名古屋市はこの弥富相生山線を「環境に配慮した道路」と位置づけ、「環境に配慮した道づくり専門家会」を設置し、このメンバーを「インスペクター(監査 人)」と称して行政側の立てた計画を監視してもらう画期的なシステムだと自画自賛しているが、すべては道路建設ありきでスタートし、この緑地に道路を建設 することがふさわしいかという検討はしていない。まやかしの専門家会といえる。

たった3日間のヒメボタル調査
 2002年5月、名古屋市は専門家会の意向を受けヒメボタルの調査を行った。この調査は発光期約1ヶ月のうちのたった3日間しか行われず、相生山緑地全 域での生息を認めながらも道路予定地でのヒメボタルの発生はそれほど多くないと報告している。専門家会はそれを根拠に少し道路線形を見直しただけでヒメボ タルへの影響は緩和できるとしている。しかし、ヒメボタルの発生場所は必ずしも同じ場所で同じように発生するわけではなく年ごとに変わっていく。このこと を指摘して数年間は調査するよう要請したが、市は前回の調査で十分であり、今後行う予定はないと言っている。2003年5月に行われた「ヒメボタルサミッ トin愛知(名古屋市科学館主催)」においての質疑応答の中でも、ホタルの研究者は名古屋市のヒメボタル調査は不充分である事を指摘している。ホタルの写 真を全国で撮り続ける写真家小原玲氏は「これほど広範囲でヒメボタルの発生する場所は知らない」と言い、今年初めて、この地を訪れた前出の研究者も「研究 対象にしたい」と言わしめるほどの貴重な場所であるにも関わらず、ほんの少しのデータを根拠に道路を造ろうとする名古屋市及び専門家会の行為は明らかに 「環境破壊」である。

市民の声はわずか20分!
 専門家会はこれまでに5回の会議と1回の説明会を行い提言書を市に提出した。特にこの提言書をまとめる上で「専門家としては歩道をつけない案を押すが、 歩道の必要性は地元住民の意見を聞いて判断すべき」という名のもと2002年11月に説明会を行ったが、住民の意見を聞く時間はわずか20分しかなく、時 間の延長を申し出てもそれに応じず専門家会の座長は強引に幕を閉じてしまった。この時間でさえ、反対意見が多かったにもかかわらず、これらの意見は全く後 の提言書には反映されなかった。同時に行ったアンケート調査は、道路計画そのものを見 直して欲しいという意見は全く反映されないもので、ほんの少数の歩道 を要望する住民が複数回答し、その結果提言書には「地元意見を集約した結果を踏まえ、片側だけ設置」という結論に達している。
つまり、地元の意見を聞いたという既成事実を作り上げるために行った説明会に他ならない。

 このように多数の道路建設見直しの意見を無 視し、ほんの少数の推進派の意見だけを地元意見とすることは、非民主的な行為であり断じて許されるのもではない。これまでに名古屋市は道路そのものの是非 を問う住民の意見を聞く場をほとんど設けずにおきながら、2003年6月の市議会の答弁では「おおかたの住民の理解を得ている」と回答しているがどこにそ の根拠があるのだろうか。
本年度中に着工を目指すと言うが、藤前干潟をゴミ処理場から救い、一躍「環境市長」市長として名を馳せた松原市長にもう一度、英断をふるってもらいたい。
 このチラシを読んだ皆さん、相生山を分断する道路に反対の声を上げ、この森が未来の子どもたちへ残せるように私たちと一緒に行動しましょう。


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