2010年12月13日 名古屋市長 河村 たかし様
相生山の自然を守る会 事務局; 名古屋市天白区天白町野並相生28-341野田方 学術検証委員会の報告書を受けた、河村名古屋市長への要望書 弥富―相生山線に関する学術検証委員会による6回に渡る
審議に基づいて「報告書」が提出されました。報告書は道路建設の是非の判断をしないとしながらも、山下委員長は「両立を図るような戦略的な基本計画を描
く」と発言しています。しかし、道路建設を前提とした両立という枠組みの作り方自体が、これからの世界のあり方を考えれば、時代遅れの提案だと思います。
報告書には「データ不十分で検証が出来ない」と言う項目が非常に多いのですが、これでは市民が理解できる報告書だとは言えません。これを受けて市長は市民
が納得する結論を出す事が出来るのでしょうか? 市長にはこの問題について、以下のことを考えていただきたいと思い、この要望書を提出いたします。
COP10の主催都市である名古屋市に恥じない結論を期待しております。
1. 大都市に残された相生山緑地の大切さ 130haという広い緑地は、地元住民だけではなく、名 古屋市民や近郊の人々の憩いの場所として親しまれています。子どもたちが虫とりをし、人々が散策をし、桜やヒメボタルを楽しんでいる場所です。大都市の中 にこんなところがあったのかと誰もが驚く緑地です。そこを横切る醜く巨大な道路の姿を市長はどう思いますか?緑地の大切さを第一に考えていただきたいと思 います。 2. 持続可能な社会という視点 自然を破壊して道路を作り、「自然に配慮した道づくり」だと宣伝していますが、「配慮」という名 前で、破壊を行った「専門家会」や行政は後世に悔いを残すことをやっているのだと思います。 長期的な展望の下に、この問題を考えていただきたいのです。つまり、子ども達の未来を考えると き、持続可能性こそがこれからの社会には最も重要なことです。この視点を基本とする結論が求められていると思います。 3. 脱車社会という視点 車中心の社会から脱車社会を目指して都市計画をする時代になりました。人口の減少、経済的な問題 により、車の台数は減ってきています。もはや道路をどんどん建設する時代ではありません。公共交通機関を充実させることが必要です。この観点から本当に相 生山に自然を破壊してまで道路を作る必要があるのかをきちんと考えてください。
4. 河村市長が市長として選ばれた原点を忘れないで下さい。 市長は、対話集会で「過去に決めてきたからその通りやらないかんということはない、政権交代した んだから」と発言、また、CBCの「税金がかかるが」という質問にこう答えています。「それも含めて考える。一旦 やったことだから常にやらなきゃならんとは限らない。それでは私を選んだ理由はない」。2009年9月26日以来、私たちは市長の決断を支持し、検証委員 会の検証を見守ってきました。市長が中断を決断した原点に基づいて、結論を出すことを要望します。 5. 道路建設中止の決断を心より要望します。 市民の声に耳を傾けて下さい。市民が何故問題提起をしているのかを真正面から受け止めて、考えて 下さい。身体で相生山の自然や交通状況を知っている市民の思いに応えていただきたいと思います。 6. 市民とともに環境都市名古屋を作りましょう! |