都市計画審議会における市側の説明に対しての抗議と公開質問状と回答


2004年1月30日
名古屋市長 松原武久 様 
相生山の自然を守る会
名古屋市天白区天白町野並相生28-341(野田方)
代表 近藤国夫

都市計画審議会における市側の説明に対しての抗議と公開質問状
2/12名古屋市より回答あり

1月13日、名古屋市長に「弥富相生山線の都市計画変更に対する意見書提出有志一同」は、「様々な問題を残したまま都市計画審議会に諮らないよう」要請しましたが、1月26日に都市計画審議会が開かれ、審議が行われたことに抗議いたします。また、私達「相生山の自然を守る会」は、「道路工事中」の看板設置に対しての抗議と公開質問状で、「道路工事が着工できる」とする名古屋市の根拠等の回答をこの都市計画審議会の前までに求めましたが、未だその回答を頂いていません。
 
この度、都市計画審議会で審議された内容が各新聞紙上で報道されました。これによりますと、審議会では名古屋市からの説明が行われ、これに基づいて審議が行われたようです。この市側の説明に対し抗議するとともに、以下のような質問をいたしますので、市長の誠意ある回答を求めます。

@    「約1万台が迂回し渋滞が緩和される」と説明していますが、この数字は、どのような諸条件・設定に基づくものか、またどのように渋滞が緩和されるとしているのかご説明下さい。

@ 都市計画道路は、都市の骨格を形成し、円滑な都市活動を支え、また良好な都市環境をつくる重要な都市基盤施設として、一体的にネットワークされることにより、その機能・役割を十分に果たすように計画配置されております。名古屋環状2号線や地下鉄6号線(野並〜徳重)等の整備が完了している条件で、パーソントリップ調査に基づいて、全市ネットワークで将来交通量を予測したところ、弥富相生山線の交通量は約1万台と推計されております。
 また、弥富相生山線が整備された場合の相生山交差点から昭和高校前交差点までの所要時間調査と予測を行ったところ、現在より所要時間が短縮されることが「環境に配慮した道づくり専門家会」においても報告されており、道路ネットワークが完成すれば、特定箇所への集中交通は分散され、渋滞が緩和されるものと考えております。

A    「生活道路への進入車両が大幅に減少する」と説明していますが、車の呼び込みにより進入車両の増大や新たな地区での進入車両の増大が予想されます。これらの予測調査を行うことなく、なぜ「進入車両が大幅に減少する」と言えるのかご説明下さい。また、今後予測調査をするのかお答え下さい。

A 弥富相生山線の周辺地域は、東海橋線と中根町線との間隔が2km以上離れていることから、幹線道路の配置密度が低く、幹線道路の渋滞を避けて、生活道路へ進入してくる交通が発生しています。
 この問題を解決する対策としては、幹線道路の整備が最も有効であり、これは、先日開催された都市計画審議会において、交通計画を専門とする委員が「生活道路へ進入している交通を防ぐ最大の解決策は幹線道路の整備である。」と発言されているとおり、交通計画上、基本的な考え方です。なお、今後、予測調査を実施する予定はございません。


B 「改変は緑地の1%で全体に影響するとは極めて考えにくい」と説明していますが、この改変の1%をどのように求めたのかご説明下さい。また、「全体に影響するとは極めて考えにくい」としていますが、これは、専門家会の意見でしょうか?お答え下さい。さらに、本件工事に伴い緑地が改変される計画範囲及びその容量を図面上でご示し下さい。

B 相生山緑地の計画面積は123.7ha、弥富相生山線の計画面積1.2haであることから、緑地全体に対する影響の程度を理解していただくための一つの指標として、緑地の1%程度という表現をさせていただきました。
 また、工事に伴う緑地の改変範囲は、極力小さくする方向で、今後施工ワーキングなどで検討してまいります。


C 「自然保全・保護への影響は、環境に配慮した専門家会において、十分な検討がされた」としていますが、上記の改変についての影響がどのように検討されたのかその内容をご説明下さい。

C 「環境に配慮した道づくり専門家会」における検討の結果として、@森林への影響を低減するため、道路幅員を必要最小限に狭める、A盛土部への「擁壁」、切土により大きな法面が発生する箇所への「シェルター構造」、沢筋を分断する箇所への「橋梁」等の構造物を採用する、Bヒメボタルや雑木林への影響を低減するため、一部線形を変更することなどを盛り込んだ提言書を頂いております。この専門家会の提言を最大限に活かす方向で検討し、弥富相生山線の変更計画案を作成しており、これにより相生山緑地の自然環境への影響は最小限のものとなり、道路建設と自然環境の保全との調和を図れるものと考えております。
 なお、専門家会の詳しい会議内容については、公開されている専門家会議事録をご覧ください。


D 「3学区の住民は中止が1900、促進が6700」と説明していますが、この6700の数値は、2000年に3学区の区政協力委員長等の名で回覧された要請書によるものであり、このような署名集めは、区政協力委員会の規則を逸脱した行為によるものです。地元において十分話合うことなく、一方的に回覧されたもので、民意が反映されているとは言えません。これを地元の意見とする根拠をお示し下さい。また、相生山緑地は名古屋市民の財産ですが、この相生山緑地を横切る道路計画が3学区の地元住民の意見だけで決められて良いとお考えですかお答え下さい。

D 区政協力委員は、市区政に係る情報を住民に伝達し、住民の市区政に関する意見を反映させるなど、住民の市区政への積極的な参加を期するために置かれており、その職務に関連して、H12.9に建設促進の要望活動が行われたものであり、その要望書は、地元住民の意向が十分に反映されたものと考えております。
 また、今回の都市計画変更を行う前には、説明会を行った後、案の縦覧を行い、同時に案に関する意見書を提出していただくなど、幅広く意見を伺っております。都市計画審議会では、地元住民の意見も含めた幅広い意見を十分斟酌して、都市計画変更案の審議をしていただいたものと考えております。
(住宅都市局都市計画部街路計画課)

以上、5点について、2月13日までにご回答くださいますようお願い申し上げます。

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