2009年5月12日提出
2009年9月11日回答

公開質問状

名古屋市長 河村たかし 様
2009年5月11日
相生山の自然を守る会
代表   近藤 国夫
名古屋市天白区天白町野並相生28−341
相生山徳林寺内 携帯;090-6337-1095
 

市長にご就任おめでとうございます。次々と新しい政策を打出される様子を頼もしく思い、今後のご活躍に大きな期待をしております。
私たち「相生山の自然を守る会」は、環境を守る立場で相生山緑地における道路建設に反対活動をしている市民グループです。市長選挙戦の折、下記の問題につ いて諸候補者のご意見を承りたく、公開質問状を選挙事務所までお持ちしましたが、残念ながら、河村たかし様からのご回答はいただけませんでした。改めて、 同様の質問をいたしますので、ご多忙中のことと思いますが、ご回答くださいますようお願い申し上げます。

地球環境は今や、危機に瀕しています。人間が引き起こした「自然環境破壊」・「地球の高温化」が、人間自らを苦しめ、人間が住む地球と人間の存亡に関わる 危機をもたらしています。この問題は一人ひとりへの問いかけであると同時に、私たちが日常的に生活する身近な環境への問いかけでもあります。

ここ相生山緑地は、市民の財産である「都市に残された貴重な身近な自然」です。四季折々の植物や様々な生き物は、多くの地域住民や近隣の市民に親しまれて います。初夏には、ヒメボタルが乱舞し、子どもたちの歓声や大人たちの驚きの声が聞こえてきます。ヒメボタルは、相生山緑地の風物であり、相生山緑地は、 全国有数のヒメボタルの生息地であると言われています。

あろうことか名古屋市は、この相生山緑地のほぼ中央を横切る道路を建設しています。こここそ、ヒメボタルが最も多く生息している場所です。しかし、建設工 事により、その生息地は壊滅状態になりつつあります。また、道路が相生山緑地生態系のコア部分や大事な沢を通ることで、相生山緑地全体(約130ha)の 生態系に多大な影響を与えてしまうことははっきりしています。

1993(平成5)年に事業認可されたこの道路(弥富相生山線)は、1957(昭和32)年に決定された都市計画道路で、当時とは諸情勢は著しく異なって います。地下鉄の延伸(野並から徳重に)工事が現在行われているところであり、人口も減少し、車の台数も減少すると見込まれている状況下での道路建設で す。

私たちは、名古屋市による住民説明会があった2000(平成12)年に「相生山の自然を守る会」を結成し、この道路建設に反対し、未来を担う子ども達に相 生山の自然を残そうと活動してきました。
名古屋市は、環境アセスメントを行うこともせず、道路の必要性の根拠を示すことも出来ず、ただただ、「環境に配慮した道路建設」との印象づけに奔走してい ます。見直しを検討しようともしない名古屋市は、「建設ありき」に終始し、今日的課題である環境問題に取り組むどころか、道路建設により取り返しのつかな い自然破壊をおこなっています。

「生物多様性」をキー・ワードとして「COP10」(生物多様性条約第10回締約国会議)が2010年、名古屋市で開かれます。
COP10が地球環境を守るための会議であるならば、相生山緑地を初め、名古屋市の自然を守ることは名古屋市に求められていることです。名古屋市は環境都 市宣言と相反する道路建設を中止して真に環境都市であることを世界に示す時です。

そこで、上記のような主張から以下のような質問をいたします。是非とも工事中の現地(相生山緑地)を見ていただき、5月25日までにご回答くださいますよ うお願いいたします。



1.「都市に残された貴重な身近な自然」相生山緑地における道路建設(弥富相生山線)問題をご存知ですか?    又、それに対してどのようにお考えです か?

2.現在進行中の道路建設を一時中止し、見直しの論議をしようと考えますか?

3.名古屋市民にとっての相生山緑地の位置づけをどのようにお考えですか? また、将来構想があれば、お聞か  せください。

4.都市計画決定された事業に関する「見直し制度」の取組みについてのお考えをお聞かせ下さい。

5.各事業に対し、住民が参加できるシステムについてのお考えをお聞かせください。

6.自然環境問題を名古屋市として日常的に取組む部局などを設ける考えがありますか?

7.最後に、COP10の開催都市として、自然を守るためにどのような抱負をお持ちなのか お聞かせください。

最後に、前市長の計画に対して「見直し」を検討されている新市長が「環境問題」にも積極的に取組む姿勢を示していただけますことをこころから願っておりま す。

以上

尚、5月末はヒメボタルが乱舞する時期となります。市民がこのホタルの乱舞を楽しんでいる光景とともにご覧いただきたく、ご案内申し上げます。