6号より
寄鳥見鳥のシーズン
                                                                           新實 豊
秋は、鳥見人にとって落ち着かない季節です。9月になるとツバメがいつの間にか姿を消すことで、「秋」を感じ、10月の初めには鳥見人にとって最大のイベント「タカの渡り」があります。日本で夏を過ごしたタカ(特にサシバ)が南へ渡って行くのがこの時期で、特に伊良湖岬は「タカの渡り地」として有名です。
伊良湖の林に大同終結したタカたちは、夜明けとともに頃合いを計らい、上昇気流を捉えて旋回しながら上昇し、やがて洋上の彼方へ消えて行く・・。多い日はその数、6000から7000羽。これほどのタカが日本にいたのかと感動を覚え、目線を逸らしたら二度とわからなくなるくらい小さくなるまで見送り、この先の事を思うと、「来年の春、無事に帰って来いよ。」と祈らずにはいられない気にさえなってくる。誰が名付けたか、タカが次から次へと旋回していく様がまるで柱のように見える事から「鷹柱」と言い、この「鷹柱」を一目見ようと、全国から人も大同終結し、まるで何かのお祭りのような状況です。
相生山も渡り鳥にとって重要な森です。昨年10月、相生小学校の木にフクロウがいたという情報がありました(実際には鳥名ががわからないのでとりあえず「フクロウ類」としておきます)。これも夏を日本で過ごしたフクロウ類が南へ渡っていく途中で羽根を休めていたものです。彼らがここで羽根を休めるのは、次の休憩地点まで飛べるだけの体力を養うためで、ここにはそのエサとなる小動物がいるということです。コサメビタキ、エゾビタキなどのヒタキ類もここで数日を過ごし、やがて南へ向かっていきます。彼らにとっても相生山はまさに「オアシス森」となるわけです。
さて、去って行く鳥とともに冬を過ごしにやって来る鳥もこれから次々に渡ってきます。近くの池には早くもカモ類の一部がやって来ていますし、カケス、ジョウビタキなどがやって来ると森はにぎやかになります。木々の葉は落ち、森の中が明るくなると鳥も見やすくなり、葉陰で地団駄を踏んだ春夏とは違い「寄鳥見鳥」の状態。
皆さんも双眼鏡を持って相生山を歩きましょう。鳥を探しながらいつもの三倍、四倍の時間をかけて歩くと、鳥以外にもいろいろな発見があると思います。                                                                                
第1回環境に配慮した道づくり専門家会を傍聴して       近藤国夫

名古屋市職員緑政土木局長以下19名、インスペクター(専門家会)4名、傍聴人9名という構成で会は始まり、弥富相生山線、小田赤池線道路計画について話し合うとのこと。
まず専門家会会長に林進氏が選任され、挨拶の中で「従来は事業認可後事務的に工事が進んだが、自然や地域のことを考えるとこれからは決定後もそれらをどうするかが問題になるので、この会はよい機会だ。」と述べられ、これは、と思ったのも束の間、「この会は都市計画を覆す力は無く、共存の可能性を技術的に判断する会」とのことで、道路の必要性等根本的な問題は飛んでしまっている。
この後、主に市職員の今井係長より、島田・野並の渋滞、交通事故、環境調査等の説明があったが、今までの繰り返しであった。それに対して専門家からは、「環境調査が限定的過ぎる」「森の分断(特にヒメボタル)の影響は大きい」「道を作ればさらに渋滞は増える」「環境の優先度をどう考えるか」等の質問が出され、市側は「次回までに回答する」と返事するにとどまった。
以上専門家会を傍聴して、私は専門家会の大竹氏が言われた「森は一度壊せば無くなってしまう。将来に残すよう考え直すべきだ」という意見こそ唯一の答えだと思う。





相生山の緑の歌

  こんどう よしろう 作詞・作曲
           
今日も小鳥がないている 
枝から枝へと渡ってなくよ
楽しい歌声ひびかせて 
いつも楽しく歌ってる
鳥もさえずる静かな山が
みんなをいつくしむ 相生山の緑

雨が降ってもだいじょうぶ 
山がみんなを守ってくれる
大地が雨を吸い込んで 
草や木々を育ててくれる
花も咲いてるきれいな山を
みんなで守ろう 相生山の緑

風が吹いてもだいじょうぶ 
山がみんなをささえてくれる
おおきな木の枝や幹が 
強い風をやわらげる
ホタルもとんでる楽しい山を
みんなで育てよう 相生山の緑


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